白菊

8月13日、日曜日、めちゃ晴れ。

最新のAirdog、お値段は13万9千円です！という声で目が覚めた。朝方はどのチャンネルも通販番組だ。いいな〜欲しいな〜。

犬はまだ寝ているようで、起こさないでおいた。6時過ぎかあ、早いけどお墓の掃除に行くかなと顔を洗う。台風がくるので今日行かないと。着替え終わると、犬が起きていたので朝んぽに出た。すでに暑い。

さすがに国道も車が少ない。寺の手前の小さい橋を渡っていつもの曲がり角を曲がる。何かしらん、寺にお墓がある事を無性に有り難いなと思った。

毎年の墓参りは今までは母の先導で、私たちはいつも付き添い的な感覚だった。母が草を引く間に、バケツに水を汲み柄杓と一緒に届ける役、風除けの箱の中のロウソクに火をつけ、線香に移す役だ。

母は汗かきなのでいつもフーフー言いながら首のタオルで顔を拭いていた。最後に母と来た時っていつだったかな。

今日は私一人で、水を汲んで柄杓をそこに入れた。柄杓って、手にした感じがなんでか可愛いらしくていい。

草が思いのほかボーボーで驚く。ブチブチっと引き抜いて、昔ながらの背の高い祖父母の墓に水をかける。なんと線香を忘れてしまい、風除け箱の中にある『ご自由に』的なものをお借りした。ありがたや…

終えて車に戻る途中、東京での大家さんだったYさんの墓で、手だけ合わせる。Yさんの家とは昔に縁があり、私に小石川で部屋を借して下さった。Yさんのお墓には、真っ直ぐでキリッとした大きな白菊だけが供えてあった。それがとても美しかった。

忘れた線香、よい香。