こまどりん

マイペースがたまにキズ。

真っ白仮面

8月18日、金曜日、曇り。

地元名産の梨を買う。今年初の梨でウキウキで冷やしてから、一つむいたがこの玉は少しハズレだった。でも梨は好物なので食べた。腹がふくれる。

午後からは予約してあった面会、施設でふた月ぶりに母と会えた。消毒、検温、マスクをしてロビーの一角で10分程度。妹と交代で母と話しをした。

私の顔を見て、すぐ名前を呼んでくれたのでほっとする。祖母や私の父がもう亡くなった事などは5分おきに何度も聞いてくるが、それ以外は概ねしっかりしている様子。今回も犬は元気かと何度も言う。別れ際に玄関で犬を抱いて母に見せると、私達などそっちのけで犬に手を振っていた。

母はぐうたら気味な父のせいもあって、ずっと働いていた。じっとしているのが性に合わないらしく、配送なんかをよくやっていた。

毎日きっちり化粧をしていたが、とても独特でベースだけでもすでに歌舞伎のドーラン風に濃く、その上からお粉をはたいて真っ白妖怪になり、何故かその後水でバシャバシャと顔を濡らしてフィニッシュを迎えていた。

愛用はカ⚪︎ーマークだった。大人になってからそのやり方は正解なの?みたいな事を聞いたら機嫌が悪くなったのでそこでやめておいた。

裏でよく、あれはすごいよねえ〜と妹と言い合って…というか笑っていたのだけどここに来ての驚愕、母は顔にシミがない。

化粧水も美容液も塗ってないのにツルツル柔らか素肌なのだ。私よりずっときれいなすっぴん女子だ。あの厚塗り仮面はきっちり紫外線も跳ね返していたんだろう。羨ましすぎる。

齢八十を過ぎても、日焼けするから散歩したくないという母の女子力よ。笑ってごめんなさい。