将棋
藤井聡太さんが七段になったそうですね。最近はもうお昼ご飯のメニューがピックアップされないのが個人的に残念(笑)
父はよく日曜の将棋をテレビで見てました、見る専門だったのかな。
「聖の青春」 大崎善生・著
平成10年に29歳で亡くなった村山聖棋士のノンフィクションです
幼少期に重い腎臓病を患って、生涯闘病されながら棋士として生きられました。
もうこの本はボロボロ泣きながら中々読み進めなかった本です。
最初は図書館で、後から文庫を買いました。
映画化もされたので楽しみに観たのですが個人的には…うーん。
断然、原作本がいいと思う。壮絶で、温かくて、おちゃめで、せつない。
まだ読む前に、大阪のシンフォニーホールに行った時「将棋会館」の前を通り、何となく「あっ、ここにあるんだ…」と思いました。
ホールの玄関へ続く木立ちの中が「上福島北公園」らしく、とても綺麗でした。
この公園での一節がとても好きなので引用させて下さい。
われわれと青年は公園のほぼ中央で出会った。
森が飛ぶように、青年に近づいていった。「飯、ちゃんと食うとるか?風呂入らなあかんで。爪と髪切りや、歯も時々磨き」
機関銃のような師匠の命令が次々と飛んだ。
森信雄師匠は次に「手出し」と言います。
青年はおずおずと森に向けて手を差し伸べた。その手を森はやさしくさすりはじめた。そして「まあまあやなあ」と言った。
すると、青年は何も言わずにもう一方の手を差し出すのだった。
大阪の凍りつくような、真冬の夜の公園で私は息をのむような気持でその光景を見ていた。
それは、人間のというよりもむしろ犬の親子のような愛情の交歓だった。
理屈も教養も、無駄なものは何もない、純粋で無垢な愛情そのものの姿を見ているようだった。
師匠の森信雄七段との日々が、この一節で表されているような。
将棋の事は知らなくても読める、とてもとても!いい本です。
何となくのんびりした世界のように思っていたけど実はとても厳しい世界なんだと知ることができました。藤井くんすごー!
時々パラパラとめくって読みますがまだ必ず泣いてしまう…。歳だな(笑)